PR
この記事では、医薬部外品(薬用化粧品)の箱などに記載されている成分表示の見方について解説します。
成分表示の見方がわかると、下記のようなことがわかります。
・自分が求める成分が入っているのか
・自分の肌に合わない成分が入っているのか
自分の理想となる肌状態にするためには、自分の肌に合う化粧品・薬用化粧品を適切に使う必要がありますが、選び方って実は難しいです。
筆者が考える自分の肌に合った製品とは、下記の3つを満たした製品です。
- 求めている効果が出る
- 刺激がない
- 好きな使用感
この3つの内、①と②は成分表示を確認することである程度予想することができます。
ルールと見るべきポイントは下記の通りです。
\覚えておくべきルール/
有効成分とその他の成分という2つの分類
有効成分、その他の成分の順番で記載
その他成分は順不同
水(精製水)は省略可
\見るべきポイント/
有効成分は何か
防腐剤、紫外線吸収剤の有無
それでは解説していきます。
医薬部外品(薬用化粧品)の成分表示の見方:成分表示のルール
医薬部外品(薬用化粧品)は、成分の表示が義務化されていません。
ただし、日本化粧品工業連合会では自主基準として表示することにしており、ほぼすべての医薬部外品に成分表示がされています。(筆者は成分が表示されていない医薬部外品を見たことはありません。)
医薬部外品の表示方法は、4つのルールを覚えておいてください。
- 有効成分とその他の成分という2つの分類がある
- 有効成分、その他の成分の順番で記載
- その他成分は順不同
- 水(精製水)は省略可
上記ルールを踏まえながら、筆者は以下の2点を意識します。
この2つを意識する理由を説明します。
成分表示で見るべきポイント①:有効成分は何か
医薬部外品は化粧品と違い、有効成分特有の効果を謳えます。
有効成分となる成分はいくつか存在し、大まかなカテゴリーに分けられます。
国が効果効能を認可した成分のこと。
国が認可した有効成分を、決められた量配合する必要がしなければ医薬部外品として承認されない。
自分の肌にとってどういった効果が欲しいのかを見極め、購入するようにしましょう。
医薬部外品の有効成分は大まかに4つのカテゴリーがあります。
求めている効能効果から、成分を選択するのがよいでしょう。
※タブを変更すると代表的な成分を確認できます。
2017年に日本で初めて許可された「シワを改善する」という効能効果を謳える有効成分
- ニールワン®
(成分名:三フッ化イソプロピルオキソプロピルアミノカルボニルピロリジンカルボニルメチルプロピルアミノカルボニルベンゾイルアミノ酢酸Na)※ポーラ独自成分
>>ニールワンについて詳しく知りたい方はこちらをクリック - 純粋レチノール
(成分名:レチノール)※資生堂独自成分
>>純粋レチノールについて詳しく知りたい方はこちらをクリック - ナイアシンアミド
(成分名:ナイアシンアミド)
水溶性ビタミンの一種でビタミンB群に分類。
効能効果は「メラニンの生成を抑え、しみ・そばかすを防ぐ」
多くの有効成分が世に出ているため、代表的なものを例示します。
- トラネキサム酸
資生堂が開発した成分で、抗炎症効果もある。 - 4MSK
(成分名:4-メトキシサリチル酸カリウム塩)※資生堂独自成分
>>4MSKについて詳しく知りたい方はこちらをクリック - プラセンタエキス
(成分名:メーカーによって異なるが、一部にプラセンタと記載あり。)
豚などの胎盤から得られるエキス。 - ナイアシンアミド
(成分名:ナイアシンアミド、ニコチン酸アミドW(P&Gの製品のみ))
シワを改善するの効能効果と合わせて謳われることも増えてきた。
- 安定型ビタミンC誘導体
(成分名:3-o-エチルアスコルビン酸、L-アスコルビン酸 2-グルコシド、リン酸L-アスコルビルマグネシウムなど)
不安定であるビタミンCの構造を一部置き換えることで、安定にした成分。 - アルブチン
コケモモに含まれることが知られている成分。近年はあまり使われていない。
外的刺激によって引き起こされる炎症に対抗してくれる成分。
多くの有効成分が世に出ているため、代表的なものを例示します。
- トラネキサム酸
美白成分でもあるが、抗炎症効果も高い。
※美白やシミの記載がない場合は抗炎症効果です。 - グリチルリチン酸ジカリウム
甘草から得られる成分で、水溶性。 - グリチルレチン酸ステアリル
甘草から得られる成分で、油溶性。
ニキビの原因菌であるアクネ菌などを殺菌する目的で配合される成分。
効能効果は「にきびを防ぐ」※手指消毒剤とは異なる。
多くの有効成分が世に出ているため、代表的なものを例示します。
- イソプロピルメチルフェノール
化粧品で配合する場合の表示名称は「o-シメン-5-オール」 - サリチル酸
角質を軟化し、毛穴のつまりを解消する作用もある。
成分表示で見るべきポイント②:防腐剤、紫外線吸収剤の有無
肌に影響を及ぼしやすい防腐剤と紫外線吸収剤のチェックはしておきましょう。化粧品とは名称が異なる成分もあるので要注意です。
- パラオキシ安息香酸エステル
(化粧品:メチルパラベン、エチルパラベン、ブチルパラベンなど) - フェノキシエタノール
- 安息香酸ナトリウム
( 化粧品: 安息香酸Na) - ソルビン酸K
- パラメトキシケイ皮酸2-エチルヘキシル
(化粧品: メトキシケイヒ酸エチルヘキシル) - 4-tert-ブチル-4’-メトキシジベンゾイルメタン
(化粧品: t-ブチルメトキシジベンゾイルメタン) - 2,4-ビス-((4-(2-エチルヘキシルオキシ)-2-ヒドロキシ)-フェニル)-6-(4-メトキシフェニル)-1,3,5-トリアジン
(化粧品:ビスエチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジン) - オキシベンゾン
(化粧品:オキシベンゾン-〇(〇には数字が入ります)) - 2-[4-(ジエチルアミノ)-2-ヒドロキシベンゾイル]安息香酸ヘキシルエステル
(化粧品:ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシル)
自分に合わない成分は避けることが大事です。
顔が赤くなった、かゆみが出たなどの異常が生じた場合は、まず上記の成分が入っていないかを確認し、覚えておくようにしましょう。
体調によって反応も変わるので、ひとまずチェックしておくというスタンスで良いでしょう。
実例を使って医薬部外品の成分表示の見方を解説
次に、医薬部外品の成分表の筆者なりの見方を説明します。
※成分表示から感じた筆者の個人的考えです。
うるおい成分を抱えた水の層を肌表面につくり、キメを整え、ぷるぷると水をまとったようなみずみずしい感触を持続させる薬用化粧水。イプサ独自の保湿成分「アクアプレゼンターIII」が、肌表面にうるおい成分を留まらせる人工的な水の層をつくり、乾燥状態に応じて水分を与えるとともに逃さないようにするので、肌が水で満たされた状態が持続します。また、水で満たされることでうるおいバランスの整ったテカリにくい肌に整え、有効成分が肌荒れや大人の肌のニキビを防ぎます。
化粧品口コミサイト@コスメで上位となっている本製品。”水で保湿”を前面に押し出しています。
それでは成分表示を見ていきましょう。
トラネキサム酸* ・ グリチルリチン酸ジカリウム* ・ アセチル化ヒアルロン酸ナトリウム ・ dl-α-トコフェロール2-L-アスコルビン酸リン酸ジエステルカリウム塩 ・ シャクヤクエキス ・ 精製水 ・ ジプロピレングリコール ・ 濃グリセリン ・ ポリオキシエチレン(14)ポリオキシプロピレン(7)ジメチルエーテル ・ ポリオキシエチレン(17)ポリオキシプロピレン(4)ジメチルエーテル ・ ソルビット液 ・ エデト酸二ナトリウム ・ クエン酸 ・ ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンデシルテトラデシルエーテル ・ 2-メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン・メタクリル酸ブチル共重合体液 ・ 1,3-ブチレングリコール ・ クエン酸ナトリウム ・ ピロ亜硫酸ナトリウム ・ ノバラエキス ・ マヨラナエキス ・ テンチャエキス ・ フェノキシエタノール
*は「有効成分」無表示は「その他の成分」
1.有効成分は何か
本製品の有効成分は、トラネキサム酸とグリチルリチン酸ジカリウムの2点です。
本製品には、2つの抗炎症有効成分が配合されています。
つまり、ザ・タイムR アクアは肌荒れ時に有効な医薬部外品であると判断できます。
アレルギーや炎症反応にかかわるプラスミンの活性を阻害する働きを持つ。日本では止血用の内服薬として1965年に認可されており、安全性と有効性の高い医薬品として全世界で使用されている成分です。
「甘草」という数百年前から生薬として使われている植物から作られている成分。また、刺激性が低く副作用もほとんどない成分です。抗炎症作用により肌荒れを防ぐ有効成分として幅広い製剤に配合され、現在市場で最も汎用されている成分の1つとなります。
2.防腐剤や紫外線吸収剤配合の有無
防腐剤として、フェノキシエタノールのみが使用されています。防腐効果のある保湿剤も配合されていますが、化粧品のように配合量を想像することはできません。
ただし、IPSAは資生堂系列の化粧品メーカーであり、資生堂の基準で製品開発されているため安心感は高め。
しかしながら、今までフェノキシエタノールが入っている製品で刺激を感じたことがある方は、注意が必要です。
医薬部外品と化粧品ってそもそも何が違うの?
もっとも大きな違いは、「有効成分が確実に配合されているかどうか」です。
特定の効果を得るためには、有効成分を効果が出ると実証されている量を配合しなければなりません。
化粧品でも有効成分を高配合している場合はありますが、実際に入っているかどうかはメーカーにしかわかりません。
医薬部外品という記載があれば、有効成分として機能する量が入っているということを一目で認識できるので、化粧品よりも効果を得られる可能性が高くなります。
もう少し違いを詳しく知りたい方は、こちらのページを確認してみてください。
>>医薬品、医薬部外品、化粧品のちがいとは?
Q&A
- 成分表示は義務化されていますか?
- 義務化はされていませんが日本化粧品工業連合会の自主基準として表示することとしています。
- 医薬部外品(薬用化粧品)の有効成分の効果にはどのようなものがあるのか。
- 「シワ」「美白」「炎症」「殺菌」などに効果のある有効成分があります。
- 医薬部外品(薬用化粧品)の成分表示に順番はありますか?
- 「有効成分」「その他の成分」の順番で記載されています。その他の成分は順不同です。
- 医薬部外品(薬用化粧品)の成分表示はどこに記載してありますか?
- 箱の裏など、わかりやすいところに記載してあります。
医薬部外品(薬用化粧品)の成分表示のルール:まとめ
医薬部外品(薬用化粧品)の成分表示のルールと見るべきポイントを再掲しておきます。
\覚えておくべきルール/
有効成分とその他の成分という2つの分類
有効成分、その他の成分の順番で記載
その他成分は順不同
水(精製水)は省略可
\見るべきポイント/
有効成分は何か
防腐剤、紫外線吸収剤の有無
自分にあった化粧品とは、以下の3つの要素が必要だと筆者は考えています。
- 効果があるかどうか
- 刺激がないか
- 好きな使用感かどうか
この3つのうち、「効果」「刺激」に関しては、成分表示をみればある程度想像することができます。
もちろん、成分表示からはわからないこともあり、良いと思っても効果がなかった、悪そうと思ってもすごく良かったということもあります。
しかし、この記事で解説したルールとポイントを意識すれば、自分にあった製品を見つけやすくなります。
また、問題が生じた時に原因を追求しやすくなります。
※肌に異常が生じた場合は、使用をストップし、医師に見てもらうことをオススメします。
この商品の成分が気になるという方は、コメント欄やお問い合わせから質問いただけると、可能な範囲で回答いたします。
成分表示のルールと見るべきポイントをしっかり覚え、化粧品選びの判断基準の1つにしていただけると嬉しいです!
コピーしてシェア